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2018年07月19日

文武両道の高校球児や指導者たちの言葉に秘められた人生訓が響く1冊



沖縄在住の作家・松永多佳倫氏の著書「偏差値70からの甲子園 僕たちは野球も学業も頂点を目指す」(集英社文庫)が発売された。

同書は、文武両道の精神で切磋琢磨する進学校野球部をつぶさに取材、選手(生徒)や監督が高校野球に向き合う姿勢や高校野球の未来を考えるドキュメンタリー。

松永氏は「文武両道の球児たちの姿こそがパーフェクトだとは思わない」と言い添えつつ、「頭脳明晰な球児たちから生まれるひたむきさ、強情、貪欲な思いは、すべての可能性を秘めている」と断言する。その考えに至るまでを300ページ弱の紙幅を費やしていく。

同書の取材先は、松山東高等学校(愛媛)、済々黌(せいせいこう)高等学校(熊本)、彦根東高等学校(滋賀)、時習館高等学校(愛知)、青森高等学校(青森)、佐賀西高等学校(佐賀)の6校。

各校の練習スタイルや特徴はもちろん違うが、読み進めていくうちに、あるキーワードが浮かんでくる。それは、「自主性、自発的」というもの。選手が練習メニューを考える松山東、一度しか指導されていないプレーを自分たちで話し合って試合で生かす済々黌、放任主義の親が多い彦根東、独特の理念を持たずあくまでも自由な青森、子供たちがどんな姿を望むのか・何を望むのかを理解して育む佐賀西など。

情報が氾濫する現代、偏差値70以上もある球児たちが高校野球をすることでその先に見ているものを、(自称)“偏差値50”の松永氏が分析していく。「とっ散らかっ」たと謙遜しながらも、野球論にとどまらず、人生や仕事において大事な示唆に富む1冊になっている。

その際たる言葉が、佐賀西の廣重昭博監督(現在は佐賀県スポーツ課競技力向上推進室副室長)が著者の松永氏にかけたひと言。本書の解説を書いたジャーナリスト・田原総一朗氏が「本書の狙いは面白い」と絶賛している通り、この切り口に気づいた松永氏の着眼点が素晴らしいが、それも“偏差値50”という違うフィールドにいたから(失礼!)、見えてきた視点かもしれない。

ともあれ、タイトルにとらわれずに手に取れば、高校球児や指導者だけでなく、それぞれに何らかの“きっかけ”や“気づき”を与えてくれるはずだ。

「偏差値70からの甲子園 僕たちは野球も学業も頂点を目指す」
発売中 648円(税込) 集英社文庫

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