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2012年09月14日

【全国コミュニティシネマ会議2012 in 那覇】 全国からの支援のもと被災地に映画を届けるプロジェクト「シネマエール東北」で、一緒に笑って、一緒に泣く②

NPO法人20世紀アーカイブ仙台(坂本英紀理事長)は宮城県内で40回の上映を行った。ボランティア活動、支援イベントが震災から1年後の3月末日をもって打ち切られるものが多いなか、シネマエール東北の活動が引き続き2年目を迎えたことで、上映者や映画に関わる人への感謝の気持ちと、プロジェクトに関わることへの誇りが伝えられた。すでに現地は復興している印象がもたれているが、被災して仮設住宅に暮らしている人々の生活は、決して満足のいくものではない。地域によってはまだまだ我慢を強いられている状況のなか、映画を届ける活動を通して被災地の人々の楽しみに大いに貢献できると考えている。ほか、定点観測で経過の記録を残すプロジェクトも行っている。

映画の楽しみにもうひとつ+αが必要と考え、炊き出し、バザーなどと組み合わせて上映会を行ったほか、カゴメ共催で『レミーのおいしいレストラン』を観てキッチンカーで“はじめての料理づくり”イベントとジョイント、東北大学のスクール・オブ・デザイン共催で“いも虫型テント”で行った玉浦八月映画館や、ビル面をスクリーンにして上映した野外上映など、多彩な上映イベントを行っている。また、「アニメーションのつくりかた」のワークショップを組み合わせて上映し、フィルムでつくったしおりをプレゼントなども。今後は地域の映像を本編にとりいれた映画など、さまざまな上映会を継続してゆく。

山形県映画センター(担当:宮沢啓 氏)は福島県、山形県の上映会を担っている。8月11日までで、福島・山形、一部宮城エリアの上映会が50回を迎えた。全国の映画関係者の支援によるものとして、感謝の意が伝えられた。福島県・会津若松市周辺の人々が暮らす仮設住宅(団地)では、会場となった福島県立博物館講堂で映画を心待ちにしていた子どもたちや「久しぶりに映画を観ることができてありがとう!」という方々で会場はいっぱいだったという。

上映会では、人生の機微を描いた家族の物語『男はつらいよ』が人気だ。「元気が出た」「仮設に来て初めて笑った」と、好評を得ている。『こまねこ』は、小さな子どもや若いお母さんに人気で、「子どもといっしょに来たのに自分がほっこりした」「とてもかわいい」「中にだれか入っているの?」など、声をもらい、楽しい時間を過ごしてもらうことができた。2011年の冬は例年にない豪雪で、福島行きも片道4~5時間かかることも珍しくないが、喜んでくれる人々の顏を思い浮かべながら、なんとか映画を届けたという。

山形県内には福島県から自主避難してきた人が現在も11000人(一部宮城)ほどいる状況。その大半は若いお母さんと小さな子どもたちで、残してきた家族との二重生活を強いられている。何年続くかわからない状況のなかで、山形市には福島の子どもたちのために新たに保育園が作られることになったところもある。これからも映画を通して、山形県内に暮らす避難所の皆さんの心を長きに渡って支えてゆきたい、と宮沢さん。

会場では、是枝プロジェクト『フクシマからのメッセージ ~フォーラム福島・阿部支配人に聞く~』の上映が行われた。是枝監督がフォーラム福島・阿部泰宏支配人らにインタビューし、福島で生きる人たちの生の声をとらえたドキュメンタリーだ。映像の中で、「収まったと思ったら長い揺れが続き、そのときに降ってきた雪が一生忘れられない」と語る阿部支配人。抑圧され、解放されない感情を抱えて生活する中で、『アレクセイと泉』という映画で“つながれる”感覚を取り戻したと口にするシーンが印象的だった。

震災から1年半。町の風景も、上映会に参加する人たちの様子も変化してきた。人々が避難所を離れ、民間のアパートや仮設住宅へ移動し、ある意味では生活が安定していく中、人々の孤立を防ぎ、メンタル面・文化的な側面から支援することが求められている。震災によって失われたコミュニティを新たなものとして構築、地域に対する愛着や誇りを醸成するためにも、映画を含む文化事業は重要。今後は、被災地の人と共同で上映会を実施する機会を増やし、復興をこえて文化事業が継続されるように進めていく。また、被災地の人たち自身にもできるだけ上映会の制作・運営に参加してもらうことを心掛けながら、継続的に上映活動を行うことができる仕組み作りを考え、映画館が失われて久しいこの地域に映画文化を残していきたいとしている。

被災地は地域により復興の差があり、震災前と現在とそれほど変わらない状況も伝えられた。多様な状況それぞれに対応した支援を行い、継続してゆく。また、映画応援団「シネマエール東北」として、映画を届けることで、被災地を見守っているということを伝え続けていきたい、としめくくった。

映画応援団「シネマエール東北」
東北に映画を届けよう!プロジェクト

◎ 主催
一般社団法人コミュニティシネマセンター
東日本映画上映協議会
◎ 共催 (現地事務局・実施団体)
岩手県:みやこシネマリーン
宮城県:NPO法人20世紀アーカイブ仙台
福島県:山形国際ドキュメンタリー映画祭
     山形県映画センター
     フォーラムネットワーク

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