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2020年05月12日

楽しく読めてタメになる“高校野球ノンフィクション”が誕生



沖縄在住の作家・松永多佳倫氏の著書「偏差値70の甲子園 僕たちは文武両道で東大も目指す」(集英社文庫)が発売された。

本書は、甲子園出場と東京大学進学、どちらも目指す公立高校の球児や指導者を取材した異色のドキュメンタリー。

今回は、湘南高等学校(神奈川県)、北野高等学校(大阪)、北海道札幌南高等学校(北海道)、刈谷高等学校(愛知)、国立高等学校(東京)、三国丘高等学校(大阪)の6校を取材先としてピックアップしている。

そして、今回の文庫化にあたり、「おわりに」と題して、沖縄・那覇国際高等学校から東京大学の野球部に入った島袋祐奨(しまぶくろ・ゆうすけ)のインタビューも収録された。

2018年に発刊された松永氏の「偏差値70からの甲子園 僕たちは野球も学業も頂点を目指す」(集英社文庫)同様、“偏差値50前後(著者自称)”の松永氏が、時にはボヤきを交えながら、 “偏差値70”の取材対象に向き合う姿は、小気味いい文章も手伝って、野球に詳しくなくとも、楽しみながら読み進められる。

読んでいて感じるのは、どの野球部も“自主性”を重んじているという点。「決して強制ではなく、本人の意思を尊重することが一番」という方針や、練習や試合で“成功体験”をさせることで、自発的な行動を促すなど、どの監督(指導者)からも言葉は違えど、同じニュアンスのコメントが聞こえてくる。

本書の取材時に北野高等高校の青年監督をしていた小谷内和宏(こやち・かずひろ)氏は、「基本的には自分で考え、物事をいろいろな方面から見て、自分で判断するのが進学校の野球だと思う」と持論を展開する。

高校の野球部といえば“ど根性”的な指導法かと思っていたが、そういった指導法をはじめ、本書の中には、高校野球の世界だけでなく人生のさまざまな局面で応用できそうなヒントが隠れていることに気づく。

大部分は直球のノンフィクションなのだが、北野高等学校の章の導入部分では1ページ以上にわたって氏の人柄がにじみ出る雑談が入ったり、漫画家・手塚治虫さんの漫画を徹夜で描く根性は北野高等学校の10km競走で培われた、公立の進学校は城のそばに多い、国立高等学校の甲子園出場はベストセラー“もしドラ”にも影響を与えた、など笑わせられたり、フムフムと感心させられたりと、読み手を飽きさせない。

「偏差値70からの甲子園 僕たちは野球も学業も頂点を目指す」に続き、また新しい“高校野球ノンフィクション”が誕生した。

「偏差値70の甲子園 僕たちは文武両道で東大も目指す」
発売中 770円(税別) 集英社文庫

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